AppStream2.0 インターネット経由でインストールできないアプリをS3経由でインストールする
AppStream 2.0入門ガイドでは、インストールするアプリケーションはインターネットから取得してきていました。ですが実際にAppStreamを利用する際には、配信したいアプリケーションがインターネット公開できるものばかりとは限りません。ということで今回はS3バケット上にインストーラーを置いて、そこからインストールしてみました。
やること概要
S3バケットにインストーラーを置いて、あとはImageBuilderインスタンスからS3にアクセスできるように権限設定をすれば良いです。ざっと以下のことが必要になります。
- S3バケットを作成・インストーラーアップロード
- IAMポリシー作成
- IAMロール作成
- ImageBuilder作成・接続
- S3からインストーラー取得
- インストール
それでは細かく見ていきましょう。
1) S3バケットを作成・インストーラーアップロード
ここで設定を間違えると全世界にバケット公開、みたいなことにもなり得るので注意しましょう。
デフォルトの設定のまま「ブロックパブリックアクセスのバケット設定で「パブリックアクセスをすべてブロック」のままにしておきましょう。
次にインストーラーをアップロードします。
上記画面で右下「次へ」を選ぶと色々と詳細設定ができますが、今回は特に必要ないので左下「アップロード」をクリックでOKです。
2) IAMポリシー作成
ImageBuilderにアタッチするIAMロール、そのIAMロールにアタッチするIAMポリシーを作成します。
- IAMポリシー作成画面に移動します。
- JSONタブを選択して、ポリシーを記述します。
今回はS3バケットからオブジェクトを取得するだけなので、以下権限だけあればOKです。
(バケット名)
のところは置き換えてください。{ "Version": "2012-10-17", "Statement": [ { "Effect": "Allow", "Action": "s3:GetObject", "Resource": "arn:aws:s3:::(バケット名)/*" } ] }
3) IAMロール作成
ImageBuilderにアタッチするIAMロールを作成します。
- IAMロール作成画面に移動します。
- 最初の画面でAppStreamを選択します。
- 次の画面で先程作成したIAMポリシーを検索して選択します。
4) ImageBuilder作成・接続
- ImageBuilder作成画面に移動します。
- 最初の
Step 1: Choose Image
は任意のものを選択ください。 - 次の
Step 2: Configure Image Builder
にて、最下部「IAM role (Advanced)」部をクリックして開き、先程作ったIAMロールを選択してください。 - Step3では、選択したサブネットがS3のエンドポイントにアクセスできることを確認しておいてください。NAT Gatewayを設置するなどしてインターネットに対してアウトバウンド通信ができる、もしくはS3のVPCエンドポイントを設置しておく必要があります。
- Step4を経てLaunchします。
- しばらく待つと作成したImageBuilderのStatusがRunningに変わります(右上の更新アイコンで更新してください)。「Connect」ボタンからImageBuilderに接続します。
5) S3からインストーラー取得
- Administratorでログイン
- Windows Powershellを開きます。
- さっそくAWS CLIでインストーラーを取得してみましょう。
AccessDenied
になります。 - なんで?先程アタッチしたIAMロール(
as2-imagebuilder-role
)の権限でコマンド実行しているんじゃないの?と思ったのでaws sts get-caller-identity
で確認します。 アレ、PhotonImageBuilderInstance
ってナニモノ… - はい。実はアタッチしたロールの権限を使ってコマンド実行したい場合は、明示的にプロファイルを切り替える必要があります。EC2インスタンスと同じ様に勝手にロールの権限使ってくれるのかと思っていたのですが違うようです。切り替え先のプロファイル名は
appstream_machine_role
です。ということで再度コマンド実行してみましょう。 取得できました! - (おまけ profile指定した
aws sts get-caller-identity
結果)